この記事では、生成AIパスポートについて以下の内容を解説しています。
- 資格の概要
- 試験日程
- 受験資格
- 必要な費用
- 出題内容
- 受験方法
- 難易度・合格率
- 過去問・テキスト
- 勉強方法
生成AIパスポートは、生成AIの簡易的スキルやリスク予防などの知識を証明できる初心者向けの試験です。
合格率が高く難易度も比較的易しいため、生成AI初学者におすすめです。
生成AIパスポートの取得によって、求人市場での競争力の向上や社内でのキャリアアップ、事業運営の効率化・リスク回避などが可能となります。
近年の生成AIの急激な発達に対応するうえで注目度の高い試験のため、ぜひご覧ください。
目次
生成AIパスポートとは?
「生成AIパスポート」とは、生成AIについての基礎知識や簡易的な活用スキル、生成における法令や規約違反リスクの知識を証明できる資格試験です。
2023年から始まった新しい資格試験で、合格すると「一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)」から認定を受けられます。
生成AIパスポートの取得には以下のようなメリットがあります。
- 求人市場での競争力が高まる
- 社内でのキャリアアップを目指せる
- キャリアの選択肢が広がる
- 事業の効率化に繋がる
- 生成AI活用によるリスクを回避できる など
生成AIは近年急激に発達しており、多くの注目が集まっている分野です。
生成AIによる仕事の代替が進んでいて、知らない間に権利侵害を行ってしまうリスクも存在します。
社会人から経営者、フリーランスまで幅広い方が影響を受けており、以下のように考える場合は受験を検討してみてはいかがでしょうか。
- 生成AIに仕事が奪われるか不安
- 生成AIを仕事に活かしたい
- 今後需要が高まる知識やスキルを習得したい
- 生成AIによるリスクを回避したい
- 生成AIについて体系的に理解したい
生成AIパスポート試験を主催する「GUGA」とは
生成AIパスポートを主催している「一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)」とは、生成AI習得を推進する一般社団法人です。
生成AIの社会実装を通じて、産業の再構築を目指しています。
生成AIパスポート試験の実施に加えて、以下のような活動も行っています。
- 生成AI活用のスキルを有する人材の育成支援
- 生成AI活用に関する市場動向や最新情報の提供
- 生成AI活用に関する研究開発・政策提言などの推進
生成AIパスポートの試験日程
生成AIパスポートは年3回試験が実施されています。
各回の申込期間と受験日は以下の通りです。
申込期間 | 受験期間 | |
---|---|---|
第1回 | 10月1日~1月31日 | 2月1日~2月29日 |
第2回 | 2月1日~5月31日 | 6月1日~6月30日 |
第3回 | 6月1日~9月30日 | 10月1日~10月31日 |
特定の試験日は定められておらず、受験期間中であればいつでも受けられます。
インターネット上で受験できるIBT(Internet Based Testing)方式なので、多くの方が都合の良いタイミングで受験可能です。
生成AIパスポートの受験資格
生成AIパスポートには受験資格が定められていません。
学歴や年齢、実務経験に関わらず、全ての人が受験できます。
ただしIBT方式の試験を受験できるパソコン・スマートフォンや通信環境などを用意できない場合は、物理的に受験できません。
生成AIパスポートの取得で必要な費用
AI生成パスポートの受験で必要な費用は以下の通りです。
- 受験料:11,000円(学生の場合5,500円)
- テキスト:3,960円
- ※税込価格です。
学生の受験料は半額ですが、学生である旨の証明が必須です。
テキスト代は本記事で紹介している公式テキストとGUGA監修のテキスト・問題集の2冊を購入した場合の料金となります。
また、各種予備校等で開催されている生成AIパスポートの資格講座を受講する場合は別途費用が必要です。
参考までに、LEC東京リーガルマインドの通信講座は10,780円の料金となっています。
生成AIパスポートの出題内容
生成AIパスポートの試験内容は、以下の5つの分野で構成されています。
- AI(人工知能)
- 生成AI(ジェネレーティブAI)
- 現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向
- 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則
- テキスト生成AIのプロンプト制作と実例
ここでは、それぞれを詳しく解説します。
参考:生成AIパスポート シラバス(PDF)
AI(人工知能)
生成AIパスポートの「AI(人工知能)」項目では、以下の5つの内容が出題されます。
項目 | 詳細 |
---|---|
(人工知能)の定義 | AIとは AIとロボットの区別 AIの研究 など |
AIに知能をもたらす仕組み | 知能をもたらす仕組み ルールベース 機械学習 AIが画像を認識する仕組み 過学習(オーバーフィッティング) 転移学習 など |
AIの種類 | AIの4つのレベル 弱いAI(ANI)と強いAI(AGI) |
AIの歴史 | 第一次~第三次AIブーム |
シンギュラリティ (技術的特異点) |
シンギュラリティの基本的な概念 |
生成AI(ジェネレーティブAI)
生成AIパスポートの「生成AI(ジェネレーティブAI)」項目では、以下の2つの内容が出題されます。
項目 | 詳細 |
---|---|
生成AI(ジェネレーティブAI)とは | 生成モデルの誕生 自己回帰モデルとディープラーニング 変分自己符号化器 敵対的生成ネットワーク 回帰型ニューラルネットワーク 長・短期記憶 など |
ChatGPT | ChatGPTとは 対話型AIの変遷とChatGPTの歴史 GPT-1 GPT-2 GPT-3 GPT-3.5 GPT-4 |
現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向
生成AIパスポートの「現在の生成AI(ジェネレーティブAI)」項目では、以下の2つの内容が出題されます。
項目 | 詳細 |
---|---|
生成AIが出来ることと主なサービス | テキスト生成AI 画像生成AI 音楽生成AI 音声生成AI 動画生成AI |
ディープフェイク(深層偽造)技術 | ディープフェイクとは ディープフェイクによる事件 |
情報リテラシー・基本理念とAI社会原則
生成AIパスポートの「情報リテラシー・基本理念とAI社会原則」項目では、以下の5つの内容が出題されます。
項目 | 詳細 |
---|---|
インターネットリテラシー | インターネットリテラシーとは |
セキュリティとプライバシー | フィッシング詐欺 悪意のあるQRコード Wi-Fiに潜む罠 アップロードサービスに潜む詐欺 不適切なコンテンツへのWebアクセス ソーシャルエンジニアリング攻撃 プライバシー設定 生成AIの技術的発展に潜む脅威 など |
個人情報保護の観点 | 個人情報保護法 個人情報の詳細な定義 要配慮個人情報 機微(センシティブ)情報 匿名加工情報 生成AI活用における個人情報の取り扱い |
制作物に関わる権利 | 知的財産権 肖像権とパブリシティ権 不正競争防止法 AI生成物に関する権利 AI生成物に関する事実確認 AI生成物が既存権利を侵害する可能性 AI生成物の著作権の所在 など |
AIを取り巻く理念と原則・ガイドライン | AI社会の基本理念 AI社会原則 AI利活用原則の基本理念 など |
テキスト生成AIのプロンプト制作と実例
生成AIパスポートの「テキスト生成AIのプロンプト制作と実例」項目では、以下の5つの内容が出題されます。
項目 | 詳細 |
---|---|
LMとLLM | LM(言語モデル) LLM(大規模言語モデル) プロンプトエンジニアリング |
プロンプティングの基礎 | Zero-Shot プロンプティング Few-Shot プロンプティング |
LLMプロンプティングの実践 | 文章の校正・校正箇所の確認 文章の整理・要約 文章の対象の変更 話者の設定の変更 文章を会話のやり取りへ変換 例え話で理解を深める など |
テキスト生成AIを用いたビジネス応用 | メールやアンケート項目の作成 アンケートの分析 業務手順の分解 タスクの抽出 英単語から英文の作成 ディベートを行う ブレインストーミング など |
テキスト生成AIの不得意なこと | 正確な文字数の指定 計算 最新の情報 芸術の批評 |
生成AIパスポートの受験方法
生成AIパスポートは特定の試験日がなく、IBT方式で実施される点が大きな特徴です。
ここでは、生成AIパスポートの受験について、以下の3つの内容を解説します。
- 受験申込みの方法
- 試験会場
- 試験当日の流れ
受験申込みの方法
生成AIパスポートの受験申込みは公式サイトの「受験申込ページ」から手続きを行います。
個人情報の入力後に受験料の支払いを行うと、申込み手続きが完了します。
支払い方法は以下のいずれかです。
- PayPal(ペイパル)
- クレジットカード
- デビットカード
なお、既にGUGAのアカウントを保有している場合は、マイページの「受験申込」から手続きができます。
試験会場
生成AIパスポートでは特定の試験会場がなく、オンラインで実施されるIBT方式で受験します。
使用機器と受験環境が整っていれば自宅でも受験可能です。
使用機器としてインターネットに接続されたパソコンやスマートフォンなどのデバイスが必要です。
複数モニターは禁止されており、ブラウザのバージョンや回線などの推奨環境も事前に確認して調整するようにしましょう。
また、受験環境については以下の3つを満たす必要があります。
- 試験開始から試験終了までの間、自分以外の人が試験環境に入り込まない環境
- 衛生用品(ハンカチなど)、および一定の必要物(目薬など)以外を周辺に配置しない環境
- カフェや公園、レストランなどの公共スペース以外の環境
受験においては筆記用具の使用も禁止されています。
家具や家電などの撤去は不要です。
試験当日の流れ
試験当日は以下の流れで受験が進みます。
- 受験環境の確認
- マイページ・試験ページのログイン
- 受験
試験当日や試験中は以下の禁止事項があるので注意してください。
- 必要物以外の持込み・使用
- 複数モニターの使用
- 試験実施内容の録音・録画・配信
- IBT受験ページ以外のWebページの閲覧
- ブラウザ以外のアプリケーションの使用
- 試験内容のメモ
- 試験に関して知り得た情報の複製や開示、漏えい
- 試験中の飲食・喫煙
- 試験中の会話・途中退席
- 試験終了ボタンを押す前に画面を閉じる行為
- 第三者からの助言を受ける行為
- 第三者へ助言を行う行為
- 本人以外の受験
- 不正行為もしくは不正行為と疑わしい行為
- その他、試験における一般的な注意事項に該当する行為
これらのカンニング等を行った場合は失格となります。
試験終了後、1〜2ヵ月以内に会員ページで結果発表が行われます。
生成AIパスポートの難易度・合格率
生成AIパスポートの過去の合格率は以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
2023年10月試験 | 1,031名 | 760名 | 73.71% |
2024年2月試験 | 1,613名 | 1,211名 | 75.08% |
およそ4人に3人が合格できる計算のため、難易度は低めと判断できるでしょう。
ただ、生成AIパスポートは専門性のある試験内容なので、ゼロから学習を始める場合は馴染みのない専門用語が多く出てきて、難しく感じるかもしれません。
また、生成AIの今後の進化によって範囲が拡大、もしくは内容の深掘りがされると、難易度が上がる可能性もあるでしょう。
生成AIパスポートの合格に必要な勉強時間
実際に生成AIパスポートを取得した方の体験談を見てみると、10〜20時間程度の学習で合格した方が多いようです。
1日30分間コツコツと学習できる環境であれば1ヵ月前後で達成できます。
生成AIパスポートの学習時間は予備知識や学習効率によっても異なります。
既に生成AIに関する基礎知識のある人は学習時間を短縮できますが、知識ゼロから学習を始める場合は、より多くの時間を見積もるべきでしょう。
問題の難易度や雰囲気は、公式サイトの例題(PDF)での確認をおすすめします。
生成AIパスポートの過去問・テキスト
生成AIパスポートの試験対策でおすすめの過去問やテキストは以下の2つです。
これらの書籍でしっかりと学習すれば十分に合格を目指せます。
生成AIパスポート公式テキスト
GUGA公式のテキストです。
出題範囲の内容に完全対応しているので、インプット面では本書一冊で合格水準の知識を習得できます。
電子書籍版(楽天Kobo版/Kindle版)と製本版が発売されており、電子書籍版であれば価格を200円程抑えて購入できます。
生成AIパスポート テキスト&問題集
GUGA監修のテキスト・問題集です。
公式テキストのポイントをまとめた解説と、実際の試験に倣った模擬問題が収録されています。
模擬問題でアウトプットを行うことで記憶の定着が進むのと、実際の出題形態に慣れることもできます。
テキスト部分もポイントがまとまっていますが、より深く網羅的に学びたい方は公式テキストとの併用がおすすめです。
生成AIパスポートの効率的な勉強方法
生成AIパスポートに効率的に合格するには、テキストによるインプットと模擬問題によるアウトプットをバランス良く行うことが大切です。
「テキスト全体を一周してから問題演習に取り掛かる」などではなく、テーマごとに区切って交互にインプットとアウトプットを繰り返しましょう。
インプットばかりの勉強では、試験本番の雰囲気や問題形式に慣れることができません。
一方でアウトプットばかりの勉強では、全体像や背景を理解できず、記憶が紐付かない原因となるので注意しましょう。
インプットとアウトプットの反復で全体像や論点の背景を覚えたら、アウトプット中心の学習に切り替えても問題ありません。
生成AIパスポートのよくある質問
ここでは、生成AIパスポートでよくある質問に回答していきます。
- 生成AIパスポートの合格点は?
- 生成AIパスポートの取得は役に立つ?
- 生成AIパスポートと他のAI系資格との違いは?
- 生成AIパスポートは国家資格?
- 独学以外で対策する方法はある?
生成AIパスポートの合格点は?
生成AIパスポートの合格点は公表されていません。
受験者全体の正答率や問題の難易度に合わせて調整される可能性があります。
他の資格試験を例に挙げると、60〜70%の正答率が合格ラインになることが多いです。
生成AIパスポートの取得は役に立つ?
生成AIパスポートの取得は以下のように役立ちます。
- 社内でのキャリアアップ
- 就職・転職活動でのアピール
- キャリアの選択肢の拡大
- 事業運営の効率化
- 生成AIによるリスクの回避
生成AIは現在大きな注目を浴びている分野で、将来的にも市場規模や社会への影響が大きくなると予想できます。
生成AIに代替されると言われている仕事も多く、AIを効率的に活用できなければ相対的に仕事の効率が落ちることも考えられるでしょう。
そのため多くの会社員や経営者、フリーランスなどが習得すべき内容を証明できる資格といえます。
生成AIパスポートと他のAI系資格との違いは?
生成AIパスポート以外でAIに関連する資格には、以下のようなものが挙げられます。
これらの資格と比較した生成AIパスポートの特徴は、生成AIに着目した資格である点です。
生成AIに特化した資格であるため、専門性の高い知識を習得しやすく、対外的なアピールにも繋がるはずです。
生成AIパスポートは国家資格?
生成AIパスポートは国家資格ではなく、GUGAが認定する民間資格です。
AIに関連した知識を証明できる国家資格には以下のようなものがあります。
AI分野に特化した資格ではありませんが、国家資格の取得を目指す場合はこれらも検討しましょう。
独学以外で対策する方法はある?
生成AIパスポートの対策方法は、独学以外に資格講座の活用もあります。
資格講座を活用するメリットは、専門家の指導の下でインプットを行うことができ、不明点も質問しやすさです。
しかし、資格取得の負担費用は増えてしまいます。
生成AIパスポートは難易度が低めの試験なので、まずは独学で挑戦してみて、難しい場合は資格講座の活用検討をおすすめします。
生成AIパスポートの資格講座には以下があります。
まとめ
今回は、生成AIパスポートの試験概要や難易度、勉強方法などを解説しました。
生成AIパスポートを取得すれば、キャリアの幅が広がり、ビジネスの効率化も見込めます。
特にWeb関係のビジネスにおいては、生成AIを活用した動画や画像編集、記事作成などでサイト運営の効率化を図れます。
AI時代の到来が近付いている昨今において、生成AIの知識やスキルは大きな武器になるため、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。
そして、生成AIを活用したサイト運営をするなら「WordPress × カラフルボックス」がおすすめです。
レンタルサーバー「カラフルボックス」であれば、Web制作の知識がない初心者でも簡単にWordPressサイトやブログを開設できます。
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