本記事では、重いサイトを軽くする10個の解決策や原因、放置した際のデメリットなどを解説します。
重いサイトを放置してしまうと、検索順位の低下やユーザーの直帰率の増加、リピート率の減少を招きます。
収益や集客数の悪化に繋がるので、重いサイトは早急に改善すべきです。
Webサイトが重くなる原因を突き止め、適切な対処法を講じましょう。
目次
重いサイトを放置する3つの悪影響
重いサイトを放置し続けると、以下の悪影響を及ぼします。
- 検索順位が低下する
- ユーザーの直帰率の増加に繋がる可能性がある
- リピート率が減少する
それぞれを詳しく解説します。
検索順位が低下する
重いサイトを放置し続けると、Webページの検索順位が低下してしまう恐れがあります。
検索エンジンが検索結果に表示されるページの順位を決める仕組み「SEO」では、ページの表示速度が指標の一つとされているためです。
Googleは、ページの表示速度に関する以下の3つの指標を定めています。
指標 | 意味 |
---|---|
Largest Contentful Paint (LCP) | ページを開いてから最も大きいデータ(画像やテキストブロック)が表示されるまでの速さ |
Interaction to Next Paint (INP) | ユーザーがページ内で取ったすべての行動(クリックなど)に対する応答の速さ |
Cumulative Layout Shift (CLS) | ページレイアウトが安定(読み込み中などに突然変化しない状態)するまでの速さ |
これらの指標が遅いと、Googleからの評価が下がり、検索順位に悪影響を及ぼしてしまいます。
ページの検索順位が下がると、アクセス数が減少し、売上や集客の悪化を招くため要注意です。
FIDはINPとは異なり、ユーザーがページ内で最初に取った行動の応答時間に焦点を当てています。
しかし、ページ全体の応答時間を測る指標としては不十分とされ、2024年3月にINPに変更されました。
参考:
Core Web Vitals と Google 検索の検索結果について
INP を Core Web Vitals に導入 | Google 検索セントラル ブログ | Google for Developers
ユーザーの直帰率が増加する
重いサイトを放置し続けると、ユーザーの直帰率の増加にも繋がります。
サイトが重く、なかなかページが表示されないと、ユーザーがストレスを感じてブラウザバックしてしまう原因となります。
表示速度と直帰率の関係性に関する調査データは以下の通りです。
モバイルページの表示速度 | 直帰率の増加 |
---|---|
1秒から3秒に伸びる | 32%増 |
1秒から5秒に伸びる | 90%増 |
1秒から6秒に伸びる | 106%増 |
1秒から10秒に伸びる | 123%増 |
出典:New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed – Think With Google
直帰率が高いWebサイトは、Googleに有用ではないWebサイトと評価されてしまいます。
Googleは、有用性の高いサイトを検索結果の上位に表示させる傾向があります。
よって、サイトが重く、ユーザーの直帰率が高いと、検索順位が低下してしまうので要注意です。
また、ユーザーの直帰率が増えるとサイト内の回遊数が減少し、結果、PV数の低下にも繋がります。
リピート率が減少する
重いサイトを放置し続けると、ユーザーのリピート率の低下を招く可能性があります。
「あのサイトはクリックしても表示が遅い」という考えから、検索結果に表示されても別のページをクリックしてしまうのです。
また、ユーザーにとって有用な情報を記載していても、サイトが重いという理由からブックマーク数が減ってしまうかもしれません。
リピート率が下がると固定ファンを増やせず、PV数が伸びない要因となります。
Googleが有用なサイトではないと判断して、検索順位が下がるリスクもあるので、放置のままは要注意です。
Webサイトの表示速度の目安とは
Webサイトの表示速度は、基本的に速いほど良いとされています。
これから重いサイトを改善したい場合、まずは3秒以下の表示速度を目指しましょう。
クリックしてから3秒以上ページが表示されないと、1秒で表示された場合と比較して直帰率が32%も増加します。
また、Googleは優れたユーザー体験を提供するためのページの表示速度として、以下の3つを定めています。
- Largest Contentful Paint (LCP):2.5秒以内
- First Input Delay(FID):100ミリ秒未満
- Cumulative Layout Shift (CLS):CLSスコア.01未満
CLSスコアは「PageSpeed Insights」で測定可能です。
ページの表示速度が極端に遅い場合、まずはLCPを改善し、その後にINPやCLSに着目した施策を行うことをおすすめします。
Webサイトが重い4つの原因
Webサイトが重くなる原因は、大きく以下の4つです。
- Webサイトの構成要素が大きい
- Webサイトのサーバーの負荷が高い
- ネットワーク速度が遅い
- ユーザーの通信環境が悪い
各要素を詳しく解説します。
Webサイトの構成要素が大きい
Webサイトの構成要素が大きいとページの表示速度が遅くなります。
構成要素とは、具体的に以下のようなファイル・データです。
- 画像
- 動画
- JavaScript
- CSS
これらの容量が大きいと、読み込みするデータ量が増加し、重いサイトになってしまいます。
Webサイトのサーバーの負荷が高い
Webサイトのデータを格納しているサーバーへの負荷が高いと、ページの表示速度が遅くなる原因となります。
サーバーへの負荷が大きくなる代表的な理由は、以下の通りです。
- Webサイトへのアクセスが集中している
- サーバーのスペックが不足している
- WordPressに多数のデータのアップロードやプラグインの利用
- データベースへのアクセス頻度が高い
サーバーへの負荷が高まると、ユーザーのリクエストを処理するのに時間がかかり、応答が遅延します。
結果として、ユーザーに重いサイトと感じさせてしまいます。
ネットワーク速度が遅い
ページの構成要素やサーバーへの負荷に問題がなくても、ネットワーク速度が原因でページの表示が遅くなるケースがあります。
ネットワーク速度が遅くなる原因は、大きく以下の3つです。
- ユーザー側の要因(デバイスのスペックが低い / 契約している回線速度が遅い など)
- プロバイダー側の要因(ネットワークの混雑 / 契約帯域幅の不足 など)
- 回線経路の要因(物理的距離が遠い / 局所的なトラフィックの集中 など)
ユーザーやプロバイダーに原因がある場合、直接的な対策は難しいです。
しかし、回線経路の要因については、CDNの導入(後述)によって改善できる可能性があります。
ユーザーの通信環境が悪い
ユーザーの通信環境が悪いと、ページの表示速度が遅くなります。
代表的な原因をいくつか紹介します。
- デバイスのスペックが低い
- 契約している回線の速度が遅い
- 電波状況が悪い など
これらは、Webサイト運営者が直接的に解決できない要因です。
ただ、重いサイトの原因解明の判断材料となるでしょう。
重いサイトを軽くする10個の対処法
重いサイトを軽くするための代表的な対処法は以下の通りです。
- CDNの活用を検討
- サーバー環境を見直す
- 画像データを圧縮
- 適切な画像ファイル形式を採用
- 動画ファイルをサーバー内に置かない
- JavaScriptのファイルを削減
- 遅延読み込み(Lazy load)を設定
- AMPに対応させる
- Webアイコンフォントを使用しない
- 不要なプラグインを削除
適切な施策はサイトが重い原因によって異なります。
原因に即した方法を選択できるように、代表的な施策を確認しましょう。
ここからは、各対処方法を詳しく解説します。
CDNの活用を検討
以下のような原因で重いサイトになっている場合、CDNの活用が有力な解決方法です。
- サーバーの負荷が大きい
- ユーザーとの物理的な距離が離れている
CDNとは、大容量のデータをユーザーに効率的に配信できるネットワーク技術です。
各CDNサービスは、オリジンサーバーのコピーデータを保存した「キャッシュサーバー」を世界中に配置しています。
ユーザーのリクエストには、ユーザーとの物理的距離が近いキャッシュサーバーが対応します。
CDNだと、ユーザーと物理的距離が近いサーバーからデータを配信でき、コンテンツの配信時間の短縮を実現します。
また、オリジンサーバーにかかる負荷が分散され、処理速度の低下を防止できます。
CDNについては「CDNとは?仕組みや意味を初心者向けにわかりやすく解説します!」で紹介しているので、ぜひご覧ください。
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サーバー環境を見直す
サーバーのスペック不足によりサイトが重くなっている場合、サーバー環境の見直しがおすすめです。
現在より高スペックなサーバーに移行すれば、処理速度の低下を防止できる可能性があります。
サーバー移転時にチェックすべき主なポイントは、以下の通りです。
- CPU:ユーザーのリクエストを処理する場所
- メモリ:一時的にデータを保存する場所
- ストレージ:Webサイトのデータを保存する場所
- 転送量:サーバーから送信できるデータの容量
- 帯域幅:一定時間内に送信できるデータの最大量
- Webサーバー:ユーザーのリクエストに応じてデータを配信する場所
サーバー移行については「サーバー移行の手順一覧|移転の注意点や選び方も徹底解説!」をご覧ください。
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画像データを圧縮
画像データの圧縮とは、画像の容量を縮小させる手法です。
画像のファイルサイズを縮小すれば、ユーザーに送信されるデータ量が減り、表示速度を改善できるでしょう。
また、Webサーバーへの負荷も軽減できるので、重いサイトの改善に有効です。
ただし、画像データを圧縮すると画質が劣化してしまう恐れがあります。
写真がメインコンテンツのWebサイトの場合、適切に圧縮率の設定を行うことが重要です。
画像データの縮小は、WordPressプラグイン「EWWW Image Optimizer」などで可能です。
詳しくは「[ewwwimage-kizi-text]」を参照ください。
適切な画像ファイル形式を採用
適切な画像ファイル形式を採用すれば、コンテンツの品質を下げずに重いサイトを改善できる可能性があります。
Webサイトで用いる代表的な画像ファイル形式は以下の2つです。
画像形式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
PNG | ・画像の劣化が少ない(高画質) ・単色やグラデーションの画像に適している | ファイルサイズが大きい |
JPEG | ・ファイルサイズが小さい ・多色かつ精密な画像に強い | 圧縮率を上げると画質が荒れる |
また、近年は「WebP」というファイル形式も注目を浴びています。
WebPは圧縮率が高く、画像サイズを大幅に削減できます。
ただし、比較的新しいファイル形式であり、非対応のブラウザがある点がデメリットです。
画像ファイルの形式は「Adobe Photoshop」などの画像編集ソフトで変換できます。
動画ファイルをサーバー内に置かない
動画ファイルをサーバー内に置かないことで、重いサイトを改善できます。
動画はデータ容量が大きいため、サーバーの処理速度の低下を招き、ページの読み込み速度を低下させる要因となります。
Webサイトに動画を投稿したい場合は、直接埋め込まず、YouTubeに投稿した動画のリンクを挿入しましょう。
リンク設定であれば、直接動画を埋め込むよりもページの容量を大幅に抑えられます。
JavaScriptのファイルを削減
JavaScriptとは、ページに動きをつける、ブラウザ上で動作するプログラミング言語です。
動的コンテンツとは、以下のようなものが挙げられます。
- アニメーション
- チャット機能
- ニュースのライブ更新 など
動的コンテンツの掲載によって、ユーザー体験の向上を実現します。
しかし、テキストなどの静的コンテンツより容量が大きく、サイトの表示速度の低下を招きます。
重いサイトを改善したい場合、JavaScriptファイルの削減や最適化を行いましょう。
遅延読み込み(Lazy load)を設定
遅延読み込み(Lazy load)とは、一度にすべてのコンテンツを読み込まず、必要となったタイミングで読み込む技術です。
例えば、ユーザーがページを訪れた際は、ページ上部の情報を優先的に読み込み、ページ下部の情報は後回しにされます。
ページを訪れてからすぐに必要な情報を閲覧できるので、ユーザビリティが上がり、直帰率の減少に繋がります。
遅延読み込みは、サイトのパフォーマンス向上の手法として、Googleも推奨している技術です。
WordPressサイトの場合、プラグイン「EWWW Image Optimizer」などで設定が可能です。
AMPに対応させる
WebサイトをAMPに対応させると、重いサイトの改善に繋がります。
AMP(Accelerated Mobile Pages)とは、モバイルページを高速表示できる技術です。
ユーザーがスマホなどのモバイル端末でページを閲覧している場合、コンテンツの読み込み速度が短縮されます。
さらに、Googleからモバイルファーストなサイトと判断され、検索順位のアップも期待できます。
AMPの設定は、WordPressプラグイン「AMP」などを活用すれば比較的簡単です。
Webアイコンフォントを使用しない
Webアイコンフォントを活用すると、ページが重くなる可能性があります。
Webアイコンフォントとは、画像ではなく文字として使用できるアイコンを指します。
使用する際は、CDNを導入してアイコンフォントを読み込む方法が一般的です。
アイコンフォントのメリットは、デザイン性が向上し、Webサイトに統一感も生まれる点です。
しかし、Webアイコンフォントを用いると、フォントデータを読み込む工程が発生します。
なかには、一つのアイコンフォントしか使わない場合でも、全フォントデータの読み込みが必要となるケースもあります。
データのダウンロード量が増加し、表示速度が低下してしまうので要注意です。
重いサイトを改善したい場合は、Webアイコンフォントの使用を避けることが無難です。
アイコンフォントを使用したいなら、HTMLに直接SVGを埋め込むなどの対策を行うと良いでしょう。
不要なプラグインを削除
WordPressの不要なプラグインを削除することで、重いサイトが改善される可能性があります。
インストールされているプラグインが多いと、サーバーへの負荷が増加し、処理速度の低下を招きます。
ただし、プラグインの無効化だけでは、サーバーへの負荷は軽減されません。
無効化してもサーバー上にはデータが残り続けるので、無効化したうえで削除してください。
また、新規プラグインのインストールを行う際は、他のプラグインと機能が重複していないか確認しましょう。
Webサイトの表示速度を確認できるおすすめツール3選
重いサイトの改善を行う際は、最初に現状の表示速度を把握しましょう。
Webサイトの表示速度を確認できるおすすめツールは、以下の3つです。
- PageSpeed Insights
- Lighthouse
- GTmetrix
それぞれを詳しく解説します。
PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、Googleが提供しているWebサイトの読み込み時間の計測ツールです。
WebページのURLを入力するだけで、LCPやINP、CLSなどの重要な指標を計測できます。
また、ページの診断結果も表示され、以下のような改善策を提案してもらえます。
- 画像の最適化
- JavaScriptの遅延読み込み
- レンダリングの最適化 など
登録不要、かつ無料で利用できるので、重いサイトの改善に役立つはずです。
Lighthouse
Lighthouseは、Googleが提供しているWebサイト分析・診断ツールです。
以下の流れでWebサイトの表示速度を計測できます。
- Chromeの拡張機能をインストール・有効化
- 計測したいページにアクセス
- Lighthouseを実行
表示速度に加えてアクセシビリティやSEO評価など、多数のデータを分析できるのが特徴です。
手軽さではPageSpeed Insightsの方が優れていますが、Webサイトを総合的に改善したい場合はLighthouseがおすすめです。
GTmetrix
GTmetrixは、URLを入力するだけで、Webサイトの表示速度や改善点を分析できるWebツールです。
PageSpeed Insightsと比較して、視覚的な診断レポートや複数の評価基準を用いた総合的な評価を得られます。
詳細なレポート内容の確認には会員登録が必要です。
しかし、無料利用でき、分析項目も多いので、Webサイトを総合的に改善したい方などにおすすめです。
まとめ:重いサイトの改善なら「ColorfulBox CDN」がおすすめ!
今回は重いサイトの原因や軽くする10個の解決策や原因、放置し続けた際の悪影響などを解説しました。
重いサイトのままにしておくと、Googleやユーザーからの評価が下がり、検索順位の低下や直帰率の増加などに繋がります。
Webサイトの収益性や集客数に悪影響を及ぼすので、原因を解明のうえ、適切な施策を講じましょう。
特に、以下のような原因で重いサイトとなっている場合、CDNの活用がおすすめです。
- サーバーの負荷が大きい
- ユーザーとの物理的な距離が離れている
CDNを活用すれば、世界中に配置されたキャッシュサーバーがリクエストを分散処理します。
また、ユーザーから物理的距離の近いサーバーが応答するので、表示速度も向上します。
弊社が提供している「Colorfulbox CDN」なら、月額440円〜で利用でき、個人ブログや小規模サイトでも気軽に導入できるでしょう。
1ヶ月間お試し利用できるので、ぜひチェックしてみてください。
CDNについての詳細は、「LiteSpeed CacheとCDNの組み合わせでWordPress高速化!」をご覧ください。
▼WordPressの始め方はこちら▼