WordPressは、世界中でCMSのトップシェア(約65%)を誇るWebシステムで、日本国内でも多くのブログやホームページの運用に使われています。具体的な知識がある人は少ないかもしれませんが、スムーズにWordPressサイトを始めるためにも、大まかな仕組みや基礎知識を押さえておきましょう。
当記事では、WordPressの特徴やメリット・デメリット、使い方についてわかりやすく解説します。WordPressに必要な費用なども詳しく紹介するため、「WordPressって何?」「WordPressに興味はあるがよくわからない」という方も、最後まで読めばWordPressの基本を理解できるでしょう。
目次
WordPressって何?
WordPress(ワードプレス)とは、ホームページやブログを簡単に作成、運用できるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の1つです。全世界で使用されているCMSのうち、約半数近くがWordPressと言われています。
従来のWebサイトのような、HTMLやCSSといったプログラミングの専門知識がなくても、本格的なWebサイトを立ち上げることが可能です。
1. WordPressの仕組み
WordPressで作成されたWebサイトが表示される仕組みについて、簡単に解説します。
WordPressは「PHP(ピーエイチピー)」と呼ばれるプログラミング言語によって構築されていますが、実際の表示は「HTML(エイチティーエムエル)」が使用されます。また、投稿記事の本文や投稿日時、バックアップなどはデータベース管理システムの「MySQL(マイ・エスキューエル)」に格納されています。
実際にWordPressが表示される際には、これらのシステムが下記のような流れで連携しています。
- ブラウザ上でページを表示させるよう指示する(URLをクリック)
- 記事やコメントなどページ表示に必要なPHPを、MySQLから取得する
- 2とPHPがHTMLを生成して送信する
- 送信されたHTMLをブラウザが変換して表示する
2. WordPressでできること
WordPressでできることは多岐に渡ります。具体的には下記のような点が特徴です。
- 好きなデザインを採用できる
- プラグインで簡単に拡張機能を搭載できる
- カテゴリーやタグの設定でコンテンツを分類できる
- 問い合わせフォームを設置できる
- 複数の管理者でサイト運営ができる
- SEO対策を取り入れて上位表示されやすいサイトに仕上げられる
初心者でも簡単に使えるような機能が搭載されているため、初めてホームページやブログを運用する人におすすめです。また、複数人での管理も可能なので、企業のWebサイトとしても使いやすいでしょう。
WordPressのメリット
WordPressを活用する上で、幅広いメリットがあります。ここでは、WordPressを活用する5つのメリットについて紹介します。
1. サーバーやHTMLなどの専門知識がなくても使える
WordPressは、サーバーやHTMLといった専門的な知識がなくても使えます。Webサイト運用の初心者に優しい管理画面のため、体裁が整ったページを短時間で投稿、編集することが可能です。
トップページやカテゴリーごとのページなど、Webサイトの基本構造をプログラミングの知識なしで構築できます。文字装飾や画像・イラスト挿入も少ない手順で完了します。
専門知識を持っている人にとっては、ページ作成や記事更新の効率化が図れる点がメリットでしょう。なお、2022年末以降、直感的にページを管理できるブロックエディター(管理画面)のみサポート対象となるため、より高い操作性の実現が見込めます。
2. テンプレート(テーマ)やプラグインが豊富
WordPressでは、テンプレートとしてのテーマや拡張機能のプラグインが充実しており、簡単に好みのデザインや必要な機能を備えたWebサイトを作成できます。
テンプレートであるテーマとは、Webサイトの見た目のデザインで、着せ替えのように機能します。無料のものと有料のものがあり、膨大な数のテーマからサイトのイメージに合ったものを見つけられるでしょう。WordPressでは、テーマを作成して公開、無料で利用できる仕組みが整っており、自由に選択できます。
プラグインは、WordPressの拡張機能を追加できる仕組みのことです。サイト表示の高速化やデータのバックアップなど、さまざまなプラグインがあり、ボタン1つで入れ替えが可能です。テーマとプラグインは、いずれも管理画面からインストールして利用します。
3. システム自体は無料で使用できる
WordPress自体は無料で使えます。ただ、WordPressのサイトを表示させるためには、サーバーとドメインを用意する必要があり、通常はそれぞれの費用が発生します。WordPressを使ったWebサイトをいくつ作成、運用しても、システム自体の使用料は無料です。
WordPressでのサイト構築を外注する場合は、ホームページ作成費用が発生するでしょう。また、無料のサイト作成サービスでも、独自ドメインは有料のケースがあります。
WordPressの運用では、レンタルサーバーを契約するのが一般的です。サーバー代とドメイン代については、後半で詳しく解説します。
4. スキルがあれば自由自在にカスタマイズが可能
WordPressは、プログラミングの専門スキルがあれば自由自在にカスタマイズできる点も魅力です。カスタマイズの自由度が高いため、サイトデザインはもちろん、環境設定やプラグイン機能、サイト構成などを好きに変更できます。
ホームページを自分で自由に構築したい方や、0からじっくりWebサイトを作り込みたい方には、WordPressが最適といえるでしょう。まだ専門知識がない場合でも、書籍やオンライン講座などを通してHTMLやCSS、PHPなどの技術を習得すれば、カスタマイズの幅が広がります。さらには、自分でテーマを作成してサイトに適用することも可能です。
5. スマホからでも記事の投稿ができる
WordPressには公式アプリがあり、iOSとAndroid両方に対応しているため、スマホからでも記事の投稿が可能です。移動中や外出先からも記事を更新・編集できるので、時間を有効活用できます。また、緊急で記事を修正したいときにも迅速に対応可能です。
アプリには、記事の投稿や編集機能のみが備わっており、集中的にスマホで作業を進められます。サイトのカスタマイズ作業や記事の文字装飾はパソコンで行い、執筆自体はスマホで行う、といった使い分けも可能です。ライフスタイルや好みに合わせて、最適な作業方法を模索してみましょう。
WordPressのデメリット
WordPressには多くのメリットがある一方、デメリットもあります。ここでは、WordPressが持つデメリットについて詳しく解説します。WordPress以外のシステムでホームページやブログを運営した方が良い場合もあるので、先に押さえておきましょう。
1. サポート体制が整っていない
WordPressでは、公式の日本語サポート体制は整っておらず、電話などでのサポートは利用できません。トラブルや不明点については、自分で調べて対処する必要があります。
利用者同士で相談し合える掲示板のようなコミュニティフォーラムがありますが、掲載されている情報も限定的で、最新の情報が入手できるとは限りません。
WordPressの管理画面の使い方など導入初期における疑問については、多くの場合ネットで検索すると解決策が見つかる可能性があります。また、レンタルサーバーなどでWordPress導入サポートを提供している会社もあるので、利用を検討してみましょう。
2. システムのバージョンアップをする必要がある
WordPressのシステムやテーマ、プラグインなどは自動でアップデートされないため、手動で行う必要があります。WordPress自体は日々改良されており、新しいバージョンが更新される頻度が高めですが、システム自体のアップデートは管理画面で1クリックするだけと簡単なので、すぐ完了できるでしょう。
プラグインはシステム自体と互換性があるため、アップデートによってプラグインが正常に作動しなくなる可能性があります。中には、開発が止まっているプラグインがあり、WordPress本体をバージョンアップした後に使えなくなる場合もあるので注意しましょう。
3. セキュリティのリスクがある
WordPressは人気ゆえに、ハッカーの標的にされやすいというデメリットがあります。世界中で利用されているWordPressは、開始のハードルが低い分、セキュリティに関する知識がなくても使い始められます。セキュリティ対策が充分でないまま運用していると、システム本体やプラグインの脆弱性によりデータの盗難や削除といった被害のリスクが高まります。
例えば「サイトや管理画面にアクセスできない」「ホームページが改ざんされた」といったWordPressのセキュリティトラブルに直面した経営者や担当者もいるため注意が必要です。
参照:比較ビズ:WordPressのメリット・デメリット【意外な落とし穴も】
とはいえ、セキュリティ対策を万全に行うことで、トラブルを回避できる確率はアップします。具体的な対策例として、下記が有効です。
- 定期的な投稿とサイト全体のバックアップ
- セキュリティ対策のプラグインの導入
- セキュリティ対策に力を入れているサーバーの利用
上記を含め、最低限のセキュリティ対策を実践した上で、サイトを運用しましょう。
WordPressの使い方
WordPressの基礎知識とメリット、デメリットについて理解したところで、実際にWordPressをスタートする手順を紹介します。利用するサーバーによって作業内容や順番が異なる場合がありますが、基本的な手順は共通なので参考にしてください。
多くのレンタルサーバーでは、WordPressを簡単にセットアップできるプランやオプションサービスを用意しています。WordPress開設に必要な設定の大半を代行してくれるため、自分で立ち上げられるか不安な方も安心です。
下記記事では、WordPressのセットアップから運用中の使い方まで詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
初心者は必見!WordPressの使い方について分かりやすく解説(内部リンク準備中)
WordPressに関するQ&A
ここで、WordPressに関するよくある質問に回答していきます。WordPress立ち上げにかかる費用やサーバー契約時の注意など、サイト運用を開始する前に知っておきたいポイントをまとめています。トラブルなくWordPress運用をスタートさせるために、参考にしましょう。
1. WordPressでサイトを作る時、何が必要?
先述したように、WordPressでWebサイトを構築する際には、サーバーとドメインが必要です。WordPress自体は無料ですが、Webサイトを保管するためのレンタルサーバーと、URLのドメインは基本的に有料です。
サーバーは自分で構築することも可能ですが、多くの場合レンタルサーバーを契約します。WordPress運用に必要なサーバー代の相場は下記の通りです。
- サーバー代:年額1万〜5万円前後
- ドメイン代:年額5千〜1万円前後
合計で年額1.5万〜6万円ほどがWordPress運用にかかります。レンタルサーバーを契約する際に、キャンペーンなどで自由に設定できる独自ドメインが無料で付帯する場合もあるのでチェックしてみましょう。
2. 無料のサーバーでもサイトは作れる?
WordPressサイトは、無料レンタルサーバーを使って作成することも可能です。サーバーの初期費用や月額使用料がかからないため、完全無料でWordPressサイトを始められます。ただし、機能の制限や広告表示などのデメリットがあるため、注意が必要です。
無料サーバーの多くは、個人がサーバーの勉強のために運営しているケースも少なくありません。利益のない無料サーバーでは、複数のユーザーが少ない容量内に多くのデータを保管するため、不安定になりやすい傾向があります。また、独自ドメインや商用利用がNGといった条件もあり、長期的なサイト運用を目的とした利用には向かないでしょう。
WordPressのホームページやブログを安定的に長く運用するなら、有料のレンタルサーバーが適しています。
無料のレンタルサーバーについては、下記でより詳しく解説していますので併せて参考にしてください。
無料レンタルサーバーのおすすめ3選|後悔しない選び方や注意点も!(内部リンク作成中)
3. WordPressでSEO効果は期待できる?
WordPressそのものにSEO効果は期待できないので、SEO対策を別途実践する必要があります。
検索結果で上位表示を目指すためのSEO対策を実践する上で、WordPressは最適なプラットフォームの1つです。ただ、WordPressを使えば、検索エンジンからの評価を最適化するSEO対策が自動的に行われる訳ではありません。
読者の検索意図に沿ったコンテンツの作成やカテゴリ設定、サイト全体を回遊する構成などにより、SEO対策の効果が現れます。必要な対策を丁寧に行うことが大切です。
簡単にホームページやブログが使いたい人はWordPressがおすすめ!
WordPressは、プログラミングの専門知識やスキルが不要で、簡単にホームページやブログを始められる便利なシステムです。テーマやプラグインを使って、自由にカスタマイズできます。セキュリティ対策など必要な初期設定を行い、安定したサイト運用を始めましょう。
WordPressの始め方について、下記記事でもわかりやすく解説していますので、併せてご覧ください。
【初心者向け】WordPressブログの始め方を超簡単にわかりやすく解説WordPress用のレンタルサーバーをこれから選ぶ方には、WordPressと相性の良いカラフルボックスがおすすめです。カラフルボックスでは「WordPress快速セットアップ」により、サーバーの申し込みと同時にWordPressインストールが可能です。
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